2017年01月21日

ふつうはって・・・





季節はまさに厳寒期。


連日のように鉛色の空が広がり、草は枯れ、
色を無くした世界は、水墨画のよう・・・

これが、山懐に抱かれた古民家だったりすると、
この冬枯れの季節も似合うんでしょうけど、

まんま夏のリゾートそのものの海辺の風来望には、
全く似合わない!

ヒュウヒュウ唸りをあげる海鳴り、海は時化あがり、
人っ子一人いない様は、
ただただ、ただただ、侘しいだけっ!!


そんな冬真っ盛りの今日この頃。
天草に来てから冬が大嫌いになったあるじですが、
ベストシーズンの訪れを心待ちにしながら、
女将ともども頑張っておりますよ~!

何を?

もちろんシーズンに向けた準備作業ですよ!

塗装などの定期的なメンテナンス、
壊れた個所の修理、
新たな設備のDIY、
新サービスや業務の見直し、経営方針を論議する戦略会議、
HPのリニューアル、
そして風来望には関係ありませんが、あるじ一家の新居のリフォーム、

etc,etc,,,

風来望は、休業中ではございますが、
あるじたちのやることには、
とにかく枚挙にいとまがありません。



そんな中、今あるじが取り掛かっているのが、



こちらです!
これ、どこの写真かわかりますか?
男子ドミトリー(6人部屋)の天井裏です。

昨年泊まられて気づかれた方もおられると思いますが、
じつは、雨漏りが原因で、天井が痛んでたんですよね。
去年まではタープを張って隠したりしてましたが、
今年は思い切って天井を剥がしてしまいました。

この後、もう一回天井を張ることは、しません。
まあ、このまま梁が見えてる状態も悪くはないかもしれませんが、
ここはひとつ、風来望らしくリメイクしてみたいと考えております。

完成形はぜひ風来望でご覧くださいね。







そしてもう一つ同時進行で行っている作業が、



こちらです!
「危 このはしわたるべからず」
ということで、落ちかけの橋の修理です。


数年前の大雨で川が増水した際に、
橋の下の石積みの護岸が流され、
その後の地震で地盤が緩んだためか、

昨年の梅雨頃、土が崩れてしまい、
このような状況に。。。


その後、役所の方が見に来られ、
一応、修理してもらえるということになってはいたのですが、
それは次に災害レベルの大雨が降った後とのこと・・・




ちなみに橋の下から見るとこんな感じです。
石垣が崩れて、その上にあった橋の基礎の半分が落ちてます。



万一、作業中に橋が落ちると即死は免れないということで、
すでにツッパリを入れました。



さて、この橋を一体どうやって直すのでしょうか?



ところでみなさんは、風来望の近所に
一人の左官屋が住んでいるのをご存知でしょうか?

現在は主に素潜り漁と畑仕事をしながら
生活しているオヤジさんだが、
これがとてもマメな男なのである。


実は橋の補修は、正月早々に、
このオヤジさんから提案があったからなのです。

役所を待ってたのでは、いつのことになるかわからんし、
ボランティアで手伝ってやるから、橋が落ちてしまう前に、
直そうじゃないかと。


自身もこの橋を通るオヤジさん。
この危険な状態が気になっていたのでしょう。



あるじ 「いいですよ。で、どうやって直します?」
オヤジさん 「石を集めてきて、積み上げる。」
あるじ 「え~!!?いや、そんなしんどいことやめましょうよ。」

あるじは土木工事は素人ですが、こんな場合ふつうは、
型枠組んで、鉄筋入れて、生コン流し込んで、じゃないでしょうか。

しかし

オヤジさん 「金がかかる」
あるじ 「いや、金はうちが持つから。石積むん腰痛いし」


・・・


こんな問答をオヤジさんとするうち、
ふとあるじは、大切な何かを無くしている自分に気づいた。


まだ風来望を開業して日が浅かったあの頃、
金はなかったが、確かに心のうちに持っていた熱い何か・・・



パーゴラを建てるといえば、
山へ行ってヒノキを伐採してきて柱にした。
(山主の了解のもと)

水道代が高いとなれば、
古井戸を浚って再生して、カヤック洗浄に使った。
(ほとんどゴリキチがやったけど)

このブログだって、唯一の営業ツールとして、
毎日のように頭をひねって更新していた。
(今は申し訳程度の更新で、すいません。)


そして俺は、こんなことができるここでの暮らしが好きだった。

それがなんだ。
今の俺は何を言ってるんだ?
「ふつうは、ふつうはって・・・」



天草移住後苦節8年。
念願だった家族を呼び寄せることも叶い、
やがて満たされつつある中で、
俺は大切な何かを置き忘れてきてやしないだろうか?


あの時、
心の中にあったのは一体何だったのだろうか?




そもそも俺は、何故田舎暮らしを始めただろう。。。


大量生産大量消費の社会に疑問を感じたとか、
物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを選んだとか、
そんなよく聞くような、ありふれた理由じゃない。

かと言って、
自然回帰的な思想があるわけでもない。
スピリチュアルなものを信奉する精神もない。
ヒッピーの理想論なんか戯言としか思っていない。




そうだ。
俺は、思うがままに生きたいと願ったんだ。
そして思うがままに移住し、思うがままにやってきたんだ。

そうか。
あの時心の中にあった何かは、
この天草で思いのままに生きてやる、という魂の叫びだったんだ!!


だが、
今の俺に、この叫びは届いているだろうか?


満たされつつある中で、
積み上げたものを失うことに臆し、
守りに入ってやいないか?

親からもらった体を使い、
これまでの人生で蓄えた知識を絞り出し、
創意工夫と想像力で道を切り開くことを忘れ、
ふつうにやっていこうとしててないか?
それこそが原点なのに・・・



最近周りからよく、すっかり丸くなった、ストイックさがなくなった、
と言われるようになった。


違うよな。
歳と共に人当たりは丸くなっても、
守るものが増えても、

尖った生き方は変えるべきじゃあない。




20数年前、天草に戻ってきたオヤジさんは、
山の斜面に自分の家を建てるのに、
土地の土留め工事から、家の基礎、材料の搬入まで、
コツコツと自分でやったという。

その労力は相当大変なものだったろう。
そんなオヤジさんだからこそ、最近のあるじの変化に気づき、
こんな提案をしてくれたのかもしれない。


ありがとうよ。オヤジさん。
俺は、もう少しで思いのまま生きるという情熱を見失い、
天草暮らしをつまんねえものにしてしまうところだったよ。





・・・




たいそうな話になりましたが、
かくして、元造園屋と左官屋の手探りの河川改修工事は
こうして始まったのである。





まずは石集めから。
工事は始まったばかり・・・












さて話は変わりますが、もう2週間も前の話。
去る1月8日(日)風来望で新年会が開催されました!







参加されたゲストさんは、わずか5名と少々さみしかったですが、
寒いこの時期、全員が薪ストーブ前に陣取れるこんなこじんまりしたパーティも
またいいもんです。



そして!
今度は、来る2月11日(土)
風来望はまだ冬季休業中ではございますが、
昨年より申しておりました通り、1日限りの営業を行います!!


まだまだ続く寒い季節。
暖かい料理と薪ストーブで、ほっこりパーティと参りましょう!
みなさまのお越しをお待ちしております!









それではまた。






  
Posted by 風来望あるじ at 12:30Comments(0)宿のこと作業