2013年06月06日

そして明かされる忘れ去られた歴史

昨日は、たくさんの方に「いいね!」を押して頂き、本当にありがとうございました。
ゴリ吉に代わりまして、お礼申し上げます。





 
さて、今朝も引き続き、古井戸「ゴリキ・チード」の清掃作業。


昨日、ほぼ水を抜いた井戸ですが、一晩で水深約1mまで回復。
一晩で半分回復したことになり、結構な量の水が湧き出ていることが判明。


水量的には、充分使えそうです。


ところで・・・



昨日ゴリ吉が泥まみれになりながら、清掃してくれた古井戸。

実は、用意したポンプが充分でなく、水を全部抜ききれなかった。
そんな状態で、出来るだけのことをやり、もう充分ということで、昨日は作業を終了したのだが・・・




今朝になって、近所のおっちゃんが強力な水中ポンプを用意。
そのポンプを作動し、もう一度水を全部抜いてみた。



きれいに水を吸い上げてしまうと・・・



底には、やはりまだ結構な量のヘドロが残っていた。



どうせやるなら、完璧に綺麗にしたいですよね!


ゴリ吉の意志を継ぎ、再び井戸の中へ・・・



昨日のゴリ吉よろしく、せっせとヘドロ混じりの泥水をバケツに入れ、近所のおっちゃんに引きあげてもらう。





ところで、皆さん!


この一連の古井戸騒動。
一番気にかかるのは、やっぱり井戸の中身ですよね!


ねえねえ、井戸の底ってどうなってるの?



とっても気になりますよねえ?



昨日は、水がたくさん残っていたので見えませんでしたが、
今日は水は、ほとんどありません。






それでは本邦初公開!!






これが井戸の底だ!!!






バァ~ン!






そして明かされる忘れ去られた歴史
なんてことはありません。



そして明かされる忘れ去られた歴史
ただの穴の底・・・  丸く窪んでいます。
底も石ですが、目に砂や小石が詰まっているようです。
その上にヘドロが溜まっていたんですね。
それを昨日今日と二日掛けて除去した訳です。

なお、常に水がしみ出してくるので、完全に水を汲みだすことは不可能です。




そして明かされる忘れ去られた歴史
お解りいただけますでしょうか?
積まれた石の隙間からは、綺麗な湧水がじわじわ浸み出していました。
昨日は、すさまじいばかりの泥水を見て、とても飲用はできないだろうと思いましたが、
このきれいな湧水を見ていると、飲めるような気もします。




そして明かされる忘れ去られた歴史
井戸の底から上を見上げる。
石垣が綺麗に積んであります。綺麗な井戸です「ゴリキ・チード」。
昔の人は、どうやってこんな井戸を作ったのでしょうか?
作った人全員が、ゴリ吉のような人々だったのでしょうか?
はるか昔、困難を極めたであろう重労働、先人達の苦労に想いを馳せるのです。







さてここで、明らかにしておかなけばならいことがある。


それはこの古井戸「ゴリキ・チード」の歴史・・・。




集落の長老たち、そしてこの土地の所有者である上田陶石(本社・高浜)の方に
話を聞くことができたので、ここに紹介する。


なにぶん、ずいぶんと古い話でもあるので、多少違っている部分もあるかもしれません。
あらかじめ、ご了承ください。
また、更に詳しい歴史をご存じの方は、あるじまで是非ご一報下さい。





さて、「ゴリキ・チード」の歴史を語る前に、風来望一帯の過去を明かす必要があるだろう。


皆さんは、天草が良質の陶石の産地であることをご存じだろうか?


その昔、風来望前の海岸は、天草陶石の積み出し港だったそうである。
今は見る影もないが、昔、海岸には小さな防波堤があったのである。
そこに船が着き、山から切りだしてきた天草陶石を、
「有田焼」で有名な佐賀の有田辺りに運搬していたらしい。


今でも集落を見下ろす山には、陶石を切りだす石山がある。

また当時は、陶石会社がたくさんあったそうで、
この集落のほとんどの方々が、なんらかの形で就業されていたとのこと。

こんな寒村にも係わらず、他の集落に比べ、比較的裕福な老後を過ごされる方が多いのも、
当時の年金の恩恵があるからなのですね。



おっと話がとんでもない方向に行ってしまうところでした。




で、今の風来望前の広場。
バレーコートがあるところですが、ここが、かつての石積み場である。



そして明かされる忘れ去られた歴史
今は、ゲストの方々がバレーを楽しんだり、テントを張っている広場。
この広場に、かつては天草陶石が山と積まれ、積み出しの時を待っていた。
現状からは、想像もつかないが・・・



しかし、その痕跡を探すことは容易である。



ご存じの方もおられると思いますが、風来望前の海岸には、天草陶石のくず石がたくさん落ちている。


そして明かされる忘れ去られた歴史
白と茶色の綺麗な玉石。
これは、他の海岸では見られないものであり、
かつてここが、天草陶石の積み出し港であったことを物語る。



また、海岸を注意深く見ていると、確かに昔の防波堤だったらしきものが残っている。


そして明かされる忘れ去られた歴史
ここは風来望前の海岸。ヒラスズキ釣りに興じるJerremy。
Jerremyのいる岩と広場の間に転がっている石は、どうみても人工構築物である。
これこそが防波堤のなれの果てではないだろうか?



そして明かされる忘れ去られた歴史
Jerremyの左。写真の切れかかっている部分。
不自然な突起物があるのを確認できるだろうか?
これは船をつなぐビットの名残りではないかと勝手に想像している。



余談になるが、この防波堤が現存していた頃は、この付近の海岸は綺麗な砂浜だったらしい。
防波堤が崩れたことにより海流が変わり、砂が流失したようである。




さてそれでは、古井戸「ゴリキ・チード」のある場所はどうなっていたのか?


昔ここには、上田陶石という陶石会社の出張所兼住居があったそうである。
石切り場から石を運んできたトラックの重量をここで計り、
計量後、現・広場の石積み場に下ろしていたのである。



古井戸「ゴリキ・チード」は、そのころ確かに使われていたようである。
年数にして、70年以上前。まだ上水道もきていない時代。
当時、飲み水として利用していたかどうかは不明だが(飲料用の水くみ場は別にあったそうです)、
残念なことに、「ゴリキ・チード」の水質はあまりよくなかったそうである。


というのが、付近に田んぼがたくさんあったのが原因のようです。
当時は質の良くない農薬なんかも出回っていたのかもしれません。

気になる今は・・・ 

田んぼはもうありませんけどね。検査をしてみないことには、なんとも。



そして約70年前。原因は解らないが、上田陶石はこの出張所を閉鎖。
以降、出張所兼住居だった家屋には、
集落の方が、入れ替わり立ち替わり賃貸で住んでいたとのことで、
もちろんその間も、「ゴリキ・チード」は利用されていたものと思われる。



それから30年・・・。


今から40年ほど前。やがて住む人のなくなった家屋は解体され、
上水道が整ったことも重なって、「ゴリキ・チード」は、忘れ去られた井戸となり、
同時に、かの土地は手入れされることもなくなり、荒れ地と化して行ったのである。

昨日、「ゴリキ・チード」の底から出てきた大量の瓦は、この家屋解体時のものと思われる。



また陶石業の衰退とともに、この浜の陶石の積み出し港としての役割も終わり、
防波堤は、たび重なる台風に、やがてその姿を消すことになるのである・・・





そして月日は巡り、3年前!!

この地に彗星のごとく現れた一人の男により、この地は再び陽の光を浴びることとなり、
(荒れ地再生の模様については、ここをクリック)

昨日!
古井戸は「ゴリキ・チード」と名付けられたのである!!!





ちなみに肝心の「ゴリキ・チード」の作られた年であるが、
それは残念ながら、解明できなかった。
確かなことは、少なくとも80年前には既にあった、ということ。




以上が、古井戸「ゴリキ・チード」の歴史である。




そして明かされる忘れ去られた歴史
天草は、島にしては珍しく、水に恵まれている。
この深山に降った雨が月日を経て、やがて「ゴリキ・チード」に浸み出るのである。
80年以上も昔から、脈々と続いてきた自然の営み。




皆さんも「ゴリキ・チード」の水を使うとき、

思いを馳せて欲しい。
この地の歴史に。

そして思い出して欲しい。
ゴリ吉の雄姿を。



そして明かされる忘れ去られた歴史
とはいえ、実際に使えるのはまだ先ですけどね!
このあとの古井戸再生プロジェクトは、井戸の屋根(ふた)づくり
そして、ハヤトの父ちゃんからもらってきたこの井戸ポンプの配管・配線と続きます。




先は長い・・・


 


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Posted by 風来望あるじ at 19:57│Comments(8)宿のこと
この記事へのコメント
素晴らしい…

こんなに感動的な歴史があるとは…

素晴らしいプロジェクトに参加させて
いただき親分に感謝です…

本日も井戸の底が気になってしょうもなかったです…

あとようやくヘドロ臭さがとれつつある頃です…
Posted by ゴリ吉 at 2013年06月06日 21:46
「ゴリキーチード」風来望の流行語大賞間違いないね(笑)

ゴリ吉の頑張りと水曜アングラーズ親睦会かねて再来週あたり前夜から集まりますか? 
Posted by 中華屋 at 2013年06月06日 23:05
ゴリ吉! よかったね。今度の焼き肉は、遠慮なく腹いっぱい食べてください。ほんでまた次の機会も井戸に入りたまえ!!
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年06月07日 07:03
中華屋! 「ゴリキ・チード」ですから。お間違えなく。
親睦会ね。。。俺はいつものごとく先に寝てます。だって水曜会始まるの遅いもん!とても付き合いきれん・・・
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年06月07日 07:07
うどん屋です(笑)
井戸の底はじめて見ました〜^o^
Posted by よっちゃん at 2013年06月07日 08:28
中華屋さん!、最近時間取れずに申し訳ないっす!
再来週は絶対参加します!焼肉ですね!最悪雨降っても集まって呑み明かしましょう!

あるじさん!明日は珍しい日程ですがお世話になります。朝は釣り出来なくなってしまったんですが(上司の不在のため早番で店の鍵をあけることになりました)、夜はガッツリ飲みましょう♫
Posted by 家具屋 at 2013年06月07日 19:30
よっちゃんさん! 井戸の底いかがでしたか?
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年06月07日 21:57
家具屋! 違うで。焼肉は井戸清掃の打ち上げです。
よし!朝から釣り行かんのやったら明日はとことん飲み明かそう。
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年06月07日 22:10
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