2013年08月29日

報告



既に耳にされていらっしゃるかたもおられるとは思いますが、
 一昨日の晩、あわやというカヤック事故が発生しました。



 ちょうどあるじが、地区の振興会の会議に出席していた午後8時過ぎ、
会議の場であった下田南の公民館の前を、複数のパトカーが、サイレンを鳴らして急行。


なにごとかと思うあるじの耳に入ったのは、一瞬顔がひきつるかのような情報。


「海でカヤックがひっくり返ったまま、漂流しているらしい・・・」

しかもあろうことか、現場は下田南沖。
下田南から出港し、そのまま帰れなくなったようである。



時間は午後8時を回り、既に陽はとっぷりと暮れ、海上は真っ暗闇。
漂流している本人からの連絡で、事態が明らかに。



一応、地元消防団員のあるじ。
陽が暮れからの捜索活動は、消防団員の活動範囲外ではあるが、
なによりカヤックの事故ということもあり、無関係とは言い切れず無視は出来ない。


会議場を飛び出し、上役の団員の方と、浜へ急行。




目にしたのは・・・




無事、浜へたどり着いた1艇のカヤックと1人のアングラー。
先に駆け付けた警察官の聴取を受け、見た感じ元気そうである。


しかし、まだ二人が、海上を漂っているという。
見れば、堤防の先で別の警察官が、ライトを振りかざし、しきりに大声をあげている。

あるじも堤防の先へ向かい、ライトが照らす先へ目を凝らす!




そこには・・・




真っ暗な海の中、タンデムカヤックを押しながら泳ぐ二人のカヤッカー。

結局、二人はそのままスロープまで泳ぎ切り、事なきを得ました。



直後に、続々と到着する車・車・車。
パトカーに、救急車に、レスキュー隊に、報道関係。
騒ぎを聞きつけて集まる野次馬。
さらには、煌々と海面を照らす海上保安庁が牛深から。
もしかしたら、漁業関係の方も、船を出しておられたかもしれません。


いつもは静かな、夜の下田南が、一時騒然としたのであった。




事故を考察すると、大まかには、こういうことだと思います。

沖でカヤックフィッシングを楽しむうちに、沈。
カヤックを起こしたまではよかったものの、再乗艇できずに、漂流。
仕方なく、泳いでカヤックを押し、岸へ向かううちに陽が暮れ、ケイタイで親御さんにSOS・・・



なぜこの凪に?
なぜ3人もいて?


疑問はいくつか残りますが、直接話を聞いた訳でもなく、ここは置いておきます。


漂流されたご本人たちは、さぞ怖い思いをされたことと思いますが、
とにかく無事でなによりでした。




そして、これまでカヤックの楽しさだけをアピールし、その危険性をほとんど指摘することなく、
カヤックフィッシングを紹介し続けてきた自分自身に、猛反省する次第です。
今回の事故も、水温の低い時期であれば、どうなっていたか・・・


いちレンタルカヤック屋のオヤジでしかないあるじが、偉そうなことを言える立場ではありませんが、
ここで改めて確認しておきます。


カヤックはひっくり返ることを前提に。


昨今、ネットで紹介されているような過度の艤装や、荷物の積み過ぎは、
釣りがしにくくなるばかりでなく、セルフレスキュー(沈起こし・再乗艇)をも困難にします。

これは、あるじの以前からの持論ですが、カヤックはシンプルが一番だと思います。
荷物もできるだけ少なく、コンパクトにまとめて、しかも取りだしやすく工夫して。




熟練のカヤックアングラーの方も、カヤックフィッシングをまだ始めたばかりという方も、これからという方も、
カヤックの安全面について、もう一度しっかりと考えて頂きたいと思うと同時に、
二度とこのような騒動が起こらないことを願って、今回の事故の報告を終わらせて頂きます。




最後に・・・

海の事故は、「118」へ!
カヤックに乗る際は、防水パックに入れた携帯電話を。




なお、風来望では、セルフレスキュー講習も1回3,000円で行っております。
未経験の方、ご利用下さい。






***************

ホリデーパーク風来望 施設案内

ドミトリー 素泊まり1泊2500円~
他、テントサイト、別館Hut、RVパークあり

レンタルカヤック
シングル艇 3000円/1艇~
タンデム艇 4000円/1艇~

BBQ 1人前1500円~

詳しくは風来望ホームページをご覧ください。
https://www.amakusa-guesthouse.com/

お問い合わせ
mail:fuuraibou-aruji@ivy.ocn.ne.jp
TEL:0969-42-3911

お気軽にお問い合わせください。


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Posted by 風来望あるじ at 10:43│Comments(8)その他
この記事へのコメント
再乗艇も出来ないのに、カヤックには乗ってほしくないですね!
しかもタンデム。。

荒れた海ならともかく、凪なのに再乗艇できない・・・同伴艇もあるのに・・・。

漁港使用禁止とかにならなければいいんですが・・・
Posted by わっきー at 2013年08月29日 13:45
わっきーさんに激しく同意です。
ちょっとカヤッカーの割に準備が足りなすぎるのでは?
しかしご無事で何よりです。

このブログ読んでらっしゃる皆様。
安全な釣りを楽しむためにセルフレスキューを是非受講ください。

自分も昨年横波で転覆しました。

秋で防寒着来てましたが、セルフレスキュー受講してたので
教えてもらった動作一つ一つを確認しながら
落ち着いて再乗艇できました。でもこれは受講してないと
絶対に無理だったと思います。

※でも防寒着着てるとかなり再乗艇は困難ですので、荒天の場合は
  出艇ないようにしましょう!→猛省

ちなみに毎年軽装になった最初の釣行でセルフレスキューの
個人練習をしてますが、それだけでもワンシーズン安心して釣りできますよ。
Posted by 家具屋 at 2013年08月29日 20:01
私的には今回のインシデント(事故になってるのかな?)事案が、風来望がカヤックを広めたから安易な連中が増えて、事故に繋がったと思って貰いたくありません。

私も過去2度程、沈をしました。
出艇時を入れれば数えきれないくらい・・・

最初の沈時はセルフレスキューを習う前でしたが、タツさんが傍に居てくれて手助けをしていただき、夏だったこともあり事なきを得ました。

2回目はセルフレスキュー受講後でしたので、前回以上に冷静に対処でき、流出アイテムも皆無でした。

自分の命は自分で守るしかないのが海のルールだと思っております。

ライジャケ着用は当然のことながら、フラッグ装備、最低限の荷物、緊急時の連絡手段確保、釣行先を家族に告げること等など

準備は念入りにして損はしないと思っております。

風来望を利用される方全てが意識を持ち、行動されれば今回のような事は二度と起きないと思っております。


タツさん。。熱く語ってすいません。。
Posted by わっきー at 2013年08月30日 12:04
わっきー、家具屋! 熱いコメントをありがとう。カヤックの安全についての意識の高さを実感しました。


「自分の命は自分で守るしかないのが海のルール」
その通りだと思います。


そして同時に、

「自分たちの釣り場は、自分たちで守るのが釣り人のルール」だと思います。


過去、多くの釣り場が、事故の多発や、近隣住民・漁業関係者とのトラブルなど、釣り人自身の原因で、閉鎖されてきたのは、釣り人なら誰もがご存じのことと思います。

それは天草においても、カヤックにおいても同じこと。今回のような事故や、カヤッカーのトラブルが多発すれば、いずれ天草でカヤックフィッシングができなくなる可能性もあります。


大切なのは、「アングラー個々人のモラルにおいて、自分たちの釣り場を守っていく」 意識だと思います。ひいてはそれが安全意識への向上にもつながるのではないでしょうか。


風来望には、日本中からアングラーがお越しになります。その誰もが天草の海の魅力に取り憑かれます。
そんな魅力あふれる天草の海で、いつまでも釣りが楽しめるよう、天草をホームグランドに釣りを楽しむ我々1人1人が、安全とマナーに、気を付けていきたいものです。
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年08月31日 08:40
遠く愛知県のカヤックフィシング愛好家よりお便り!
私のカヤックのホームは愛知県の三河湾です
運よく全国にも名が通っている有名なカヤックスクールが近くにありでカヤックの先輩から初心者スクールを強く勧められてカヤックを手に入れてからすぐに1日体験しました(受講料は8000円半日コースです)
その際にインストラクターより 海の楽しさと怖さを同時に教えられて
漕ぎ方 沈の仕方 また再乗艇の仕方を教えて頂き その後ミニツーリングと称して往復2Km程度のカヤックによるツーリングを体験しました
その後 1年は釣りはせず 漕ぎの練習にいろんな場所で自主錬しました
やっとある程度自信が付き 今年の5月から本格的にカヤックフィシングをはじめました 理由は カヤックの操船とフィシングの操作を同時にするのは自分にはとても出来そうになかったからです
でもカヤックの主たる目的が釣りでカヤックフィシングで購入される方がほとんどで ブログや動画でみた2次元の机上の体験とは違い 海は3次元です
目に見えない風 波 潮の流れ 容赦なく襲ってきます
教えてもらわなくてもなんとかなるさ・・・・では通用しないなと感じます
そう言う意味では 先輩諸氏となるカヤッカーの方々が尽力されているのがたいへん重要だと感じます
Posted by raido135 at 2013年09月02日 01:53
raido135さん! 愛知からのコメントありがとうございます。
そうですね。教えてもらうことも大切。自ら学ぶことも大切。無理なく無茶なく、各々の技量のステップアップにあわせて楽しむのが一番ですね!!
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年09月02日 13:22
あるじさんが投稿されてる内容が正しいのでしょうか。当事者とお話されたのでしょうか。
この内容に対してのコメント等々、当事者を侮辱するだけの内容にしかおもえませんが。
Posted by 匿名希望 at 2013年09月04日 05:52
匿名希望さん!  おっしゃる通り、一理あります。

確かにあるじは、事故の一報を受けた電話の内容・現場となった浜・そして帰着の様子、といった断片的な事象しか見ていません。
それらから推測したに過ぎないことを、さも何の間違いもない事実であるかのように、書き記したことは、軽率でした。

また、コメントにしても辛辣な意見が相次ぎました。匿名希望さんにしてみれば、事故に会い、しばらくはカヤックには乗れないほどのダメージを受けておられるかもしれない当事者の方々に対する配慮が欠けているように思われても仕方がなく、陳謝させて頂きます。


ただ、少し誤解をされていらっしゃるようなので、長くなりますが、弁解の時間を取らせて頂きます。



 そもそも今回の事故は、風来望とは直接的には無関係なものでした。その意味では、風来望ブログの記事にする必要はないと言えば、なかったのかもしれません。
 しかし、天草でカヤック事故が起これば、もはや風来望は、無関係では通りません。


今回の事故でも、SNSでは、「風来望でボート漂流事故」というまことしやかな誤情報が流れ、遠くオーストラリアに出張に行っていた友人にまで心配をかけました。
またニュースでも報道されたことから、多くのお客さんの耳に入る事ともなりました。
そんなことから、風来望としては、あるじの知りうる限りで、事態の報告を行う必要がありました。


そしてなにより、ひとたび海難事故を起こせば、たとえ何事もなく終わったとしても、これだけの騒動をまきおこすのだという事実。
警察・救急・消防・海保、近隣住民の方々・・・

今回は、あるじの地元で起こったこともあり、ひとつの海難事故が非常に多くの方々に迷惑をかけるのだということを改めて強く認識しました。

 それらの事実を、そしてカヤックの危険性について再認識してほしいとの思いを、皆さまにお伝えしたく、事故報告に注意喚起の意味も込めて、パソコンのキーボードを叩かせて頂いた次第でした。





また、コメントを頂いた方々も同じことと思います。彼らにしてみても、今回の事故は無関係のこと。わざわざコメントする必要などありませんでした。
しかしカヤックアングラーとしてなら、話は別です。

カヤック事故が起こり、騒動となれば、カヤックの、カヤックアングラーの評判は間違いなく下がります。その影響を受けるのは我々カヤッカー全員です。

言うなればコメントをくれた彼等は、我々の代表として、正々堂々名乗りを上げ、カヤックフィッシングの先輩として語気を強めて、意見を発してくれました。
それは、カヤックに対する意識の高さ、先達としての責任感の強さの表れで、ダメージをうけておられる当事者に追い打ちをかける意図も、侮辱する意図も、決してありません。

それよりなにより、「当事者に対する」などという意図は一切なく、この事故を契機に、カヤッカー全般へ安全を呼びかけ、自からの体験を語り、カヤックの危険性・セルフレスキューの重要性を謳い、事故の再発を切に願った結果のことと、あるじは受け止めております。

確かに言葉は辛辣であり、それが当事者に対する侮辱だと、捉えられかねない部分もありました。それについては、謝罪しなければなりません。


事故に遭われたことは、不運なことでした。しかしこれに懲りることなく、同じ過ちを2度起こすことなく、再び海に浮かばれることを待っているのは、カヤッカーとして皆、同じ思いではないでしょうか。

このような弁解で、匿名希望さんの誤解が解けるとは思ってはおりませんが、あるじの、そして意見を発した方々の意図を、少しでもご理解いただけたらと思います。


ところで、コメントから察するに、匿名希望さんもまた、違った意見をお持ちのようですね。このような事案では、様々な意見があるのもまた然りと思います。
よろしければ、忌憚なき意見を頂戴出来たらと存じます。

その際は、できればハンドルネームで頂ければ幸いです。
Posted by 風来望あるじ風来望あるじ at 2013年09月04日 09:36
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