2020年02月17日

天草西海岸トレッキング?



豊かな自然に囲まれて
のびのび過ごす田舎暮らしは、
健康的なイメージです。

でも意識して生活しないと、
運動不足に陥いるのは
田舎も都会も同じこと。


やっぱり車社会ですからね。
田舎も歩く機会が少ないんです。

いや、
公共交通が不便な田舎は、
都会よりもさらに車に頼りがち。
歩く機会は一層少ないかもしれません。



そこで、、、


突然ですが、今回あるじは、
トレッキングに挑戦してきました!





天草西海岸トレッキング?
しかも!
腰には登山用のカラビナを装着し、
数十mのロープも用意しての
本格装備で!!

どこへトレッキングに行くというのでしょうか。



おっと紹介が遅れるところでした。
今回のポ、
じゃなくてトレッキングには、
優秀なガイドが同行します!



天草西海岸トレッキング?
人呼んでロープの魔術師
『まっつん』です。

SNS顔出しNGなので、
後ろ姿ですいません。


簡単に紹介しましょう。
まっつんは、先週スナフキンズで行われた
30m級の杉の特殊伐採を行った張本人!





天草西海岸トレッキング?
ダイキが動画やブログにアップしてたので、
ご存じの方も多いと思いますが、
先週スナフキンズでは、
あるじ達の後ろにそびえるこの杉を
伐採したのです。



天草西海岸トレッキング?
伐採作業中の
ミノムシダイキ。


こんな巨木の伐採、
もちろん一宿主に
できるものではありません。
造園の経験のある
あるじだってできません。


その高木伐採作業を
クレーンも高所作業車もなく、
身一つロープ1本で登ってこなしたのが、
何を隠そう「まっつん」なのです!


彼は空師であり、
クライマーでもあり、
ジビエハンターでもあり、
格闘家でもあり、
造園屋でもあり
キノコ採集もたしなみ、
山にルートを作るのも得意で、
キャンプの達人で、
海では素潜りが好きで、、、

という、挙げればきりがない程の
サバイバル的アビリティの持ち主。



先月あるじがスナフキンズを訪れた際に
たまたま遭遇し、すぐに投合、

「風来望に来た際は、ヒラスズキのポ、
じゃなかったぜひ一緒にトレッキングを!」

と約束していたのですが、
ついにその日が来た!
というわけです。



紹介が少々長くなりましたが、
それでは早速入山と参りましょう!






天草西海岸トレッキング?
昼なお暗い鬱蒼とした森の中、
アップダウンが続く山を進みます。

スマホのGPSを頼りに進みますが、
迷わないよう、念のためところどころで
木に目印のテープを巻いておきます。



そうやってルートを確保しながら
一山超え、谷を下り
二山目を登ったところで、、、




天草西海岸トレッキング?
でた!海だ!!!
うひょー高いな~!
目がくらむ~



それではここからロープを使って
降りま、ま、ま、








せん!


あまりにも高すぎます。
80mはありそうです。
まっつんが用意したロープは
長いもので30m。
とても届きません。

仮に届いたとしても、
こんなとこから降りる勇気は
とてもありません。

火サスもまっさお。
目もくらむ高さです。



申し遅れましたが、
ここは天草西海岸最後の秘境。

これまで西海岸を開拓しまくってきた
あるじにとって、最後の最後に残された
まさに、最終最後の秘境です。

そう簡単にいかないことは
想定内。
だからこそのまっつんであり、
この装備なのです。



さて、休憩がてらしばし
この絶景を眺めていた一行、
腰を上げさらに奥を目指します。


しばし尾根伝いに進んだのち、
海側へなだらかに傾斜している斜面を
降りていきます。





天草西海岸トレッキング?
なだらかとは言っても、
先程のような絶壁ではない
というだけで、
ロープ無しでは滑り落ちて
まともに歩けない急斜面。
ロープを伝いながら慎重に降りていきます。

さあ、もう海が近いぞ!



そして、、、





天草西海岸トレッキング?
再び海にでた!
今度はだいぶ低い。
高さは10mちょっとくらいか。

これなら降りれる!!






天草西海岸トレッキング?
というわけでロープをセッティング!
命をロープとまっつんに預けます。




天草西海岸トレッキング?
そして降りる





天草西海岸トレッキング?
降りる





天草西海岸トレッキング?
降りる―






天草西海岸トレッキング?
で、2人とも無事着地。
下から見るとこんな感じ。


じつはここ、
少し回り込めばロープ無しでも
降りれました。

でもせっかくロープ持ってきてるんだから、
ね。


と、余裕を見せるあるじ。


だが、この後に
本当の試練が待ち受けてることを
あるじはまだ知らない・・・





天草西海岸トレッキング?
降りた海岸はこんな感じ。
こりゃあ時化ればそこらじゅうサラシが広がって、
ヒラスズキの好ポイントになること間違いなしよ!!

これはいいポイントだ!


あ!バレました?
やっぱりあるじがただ健康のために
トレッキングはしませんよねえ。

今回のトレッキングは、
実はヒラのポイント開拓が主目的でした。


もうわかっとるわいって?


すいません。。。





しかし一見好さげに見える
このポイント・・・




右も左もすぐ行き止まりで、
あんまり歩けない。。。


ご存じヒラスズキ釣りは
足で稼ぐ釣り。

スレるのが早いヒラスズキは、
一つのポイントをじっくり探るのではなく、
次々に新しいサラシを叩いていくのが
好釣果の鉄則。

なのに、ここは狭すぎる。。。
1人で行っても2時間遊べるか遊べないか。
調子が悪ければものの数十分で
結果が出てしまいそう。


なんとかもう少し広く探れないものか。

磯伝いが無理なら、
高まきして、行けそうなルートがないか
探ってみるか。





天草西海岸トレッキング?
しかし・・
あかん!これは釣りのレベル超えてる。
釣り竿持ってこんなことできんわ。
高まきも無理。




天草西海岸トレッキング?
ふ~む。
まずまずのポイントではあるが、
ヒラ釣りにはやっぱり狭い。
あそこまでの労力を払っても
来る価値はあるだろうか・・・

まあ、1回は時化たときに
来て釣りしてみるけど。

そんな複雑な心境で海を眺めるあるじです。



さて、
行きも大概大変だったが、
急峻な登りが待つ帰り道は
まさに地獄のway。

しかもやっぱり道に迷いながらの帰り道。
息も絶え絶えに戻ってきた一行は、
少しの休憩をはさんで、、、






天草西海岸トレッキング?
次のポイント開拓のため、
再び入山!
過酷~~。

ヒラスズキ釣りに対する
飽くなき探求心。

そして釣りはしないのに
それに付き合うまっつんも
また変人。



はじめに断っておきます。
今度の開拓は
先程よりもさらに難儀を極めたことを・・・






天草西海岸トレッキング?
しばらく山中を尾根伝いに進んだ一行。
海岸へと出ましたが、
やっぱり断崖絶壁!!!!
さっきのとこよりもまだ高い!

目の前に見える岬も大概高いが
それをまだ見下ろす高さ。
100mくらいあるんじゃね?



もちろんこんなとこからは
降りれないので、続いて尾根伝いに
下りのルートを取ります。

今度は傾斜はそれほどきつくないものの、
距離が長い!

あるく、あるく、あるくぅ!
帰りの事を思うとげんなりします。

トレッキングトレッキング!





そしてようやくやっと
谷底の沢にたどり着いた一行。





天草西海岸トレッキング?
ここまでハードなトレッキングに
なるとは予想外。
500mlのペットボトル1本分の
水分しか持ってきておらず、
沢の水で水分補給。
まっつんワイルド~


だが、ふと気づくと
すぐそこで波の音が。

近い!!

ダテグの藪をかきわけた我々の目に
飛び込んできたのは!






天草西海岸トレッキング?
海だ!!
しかも低い!!!



しかし喜んだのも束の間
続いて目に飛び込んできたのは、






天草西海岸トレッキング?
先程の沢の水が滝のように流れ落ちる
正真正銘の絶壁。
高低差は15mほどだが、
ほぼ垂直。

今度ばかりは、どこをどう見まわしても
ここを降りるしかなさそうだ。




すかさずロープを用意するまっつん!
しかし今回は先ほどよりも
明らかに難易度が高い。

傾斜はきついし、
足場のようなものが全くない
まさに壁。

あるじ、既にビビりが入ってます。




天草西海岸トレッキング?
しかし
なんの躊躇もなく
降りて行くまっつん。

マジか。。。

(滝のとこで降りたら
めっちゃインスタ映えでしたけど、
ビショビショになるので
少し場所をずらしてます)







天草西海岸トレッキング?
仕方がない。
続いてあるじも意を決して
降下!

へっぴり腰やなあって?
めっちゃ怖いねんぞ!

特に降り始め。
この体勢になる前が
めちゃくちゃ恐怖でした。


さきほどの岩場は
まだ傾斜が緩やかで
余裕がありましたが、
今度はマジですよ。




天草西海岸トレッキング?
無事降り終えた先に広がる海岸は、
ヒラスズキ釣りに良さそうですが・・・

本格クライミングをしてまで
来ようとは思いませんわ!

どこかもう少し容易に降りれる
場所はないものかと
しばし辺りを探ってみましたが、、、


天草西海岸トレッキング?
どこも目もくらむような高さの絶壁に守られ
とても釣りレベルで来れるような
降り口はありませんでした。






天草西海岸トレッキング?
来るものを拒むような絶壁が続く海岸線。
その背後には奥深い山が控えている。
最後の難所に相応しい様相・・・
あんなとこを登り降りするのは、
本格クライマーか、探検家くらいでしょう。



天草西海岸トレッキング?
結局、降りてきた滝のところが
一番低く、安全のようです。




結論。

ここは、
「ナシ」
だな。
命がいくつあっても足りん。



さあ、
また地獄の帰りwayが待っている。
そろそろ戻りますかいね!



天草西海岸トレッキング?
いとも簡単に絶壁を
登っていくまっつん。


続いてあるじの番。

登りは、恐怖感こそないものの、
しかしこのロッククライム式の登り方。
これが素人あるじには超大変でした。

結局自力だけでは登れず、
まっつんが補助ロープで引き上げてくれて
なんとか登りきることが出来ましたが、
地獄の帰りwayの前に、
膝がガクガクになりましたわ。

今から山登り、不安~




しかしね。
本当に驚いたのは、


なんと!


この絶壁に


すでにロープが
仕掛けられてあったことです。


まっつんが登ってる上の写真、
あるいは、あるじが降りてる写真を
よく見てもらうと、
2本の黒いロープが垂れ下がってます。


これ実は
元からここに掛けられていた
ロープなのです。


マジかよ・・・


つまりここは人が来ていた
ということ。



こんないつ切れるかもしれない
ビニールロープに命を預け、
登山装備も命綱もなしに
釣りのためにこの絶壁を
登ったり降りたりしてた釣り師が
本当にいたのか。

とても信じられない。
まさに命がけ。
どんな変人?



このときあるじは、
かなりの驚きと同時に

開拓開拓といいながら、
今更開拓の余地のある地などなく、
全ては前人の軌跡を
辿っているだけなのだと
改めて思い知らされたのです。


そう。
今まで開拓と称して入り込んだ
地磯の全てに、
結局は前人の残したルートがありました。


そしてそれは考えてみれば
当然のことなのでしょう。

そう思うと、ルートを作ったであろう
はるか昔の前人に
敬意を表さずにはいられなく
なりました。




じつは、1回目に入った山にも
かつて人が通ったルートが
残っていました。
決してあるじ達が新しいルートを
作ったわけではありません。


元々これらのルートを作ったのは、
はるか昔、この地に住み着いた
地元の人達だと思います。

彼らはあるじのように
趣味や楽しみのために
ルートを作ったのではなく、

畑を耕すのと同じように、
生活のため、生きる糧を得るために、
家の裏から海へのルートを作り、
生活の一部として
行き来していたのではないでしょうか。

今ほど安全装備も整ってなかった時代に
あれだけの難所。命を落とす方も
少なくはなかったでしょう。

それでも生活の為、
生きるために彼らは通い続けた。


やがて時は流れ、飽食の時代。
命がけで食料を獲りに行く時代は
終わりはしたものの、

その末裔たちはルートを
大切に手入れし、
同時に釣りを趣味とする者たちも
そのルートを利用するようになった。


しかしそれも更なる時代の流れと共に
高齢化と過疎化が進んだことで、
ルートの維持は困難となっていった。

やがて通る人も少なくなったルートは
次第に木々に覆われ、
忘れ去られようとしていた。


そこにたまたまあるじ達が
足を踏み入れた。
そういうことなのだと。



今回歩きまくった山の中でも
石垣を組んで作った畑の跡を
いくつか見かけました。

こんな山奥でも畑を・・・

昔の人のたくましさとしたたかさに、
脱帽せずにはいられない。


そう遠い昔から今に至る流れを
勝手に想像しながら、
地獄のwayを帰路に就いた
あるじなのでした。

ちょっと違うかな?




まあ、あるじの想像は
置いといて、

まっつん、
予想以上にハードなトレッキング
めちゃくちゃ疲れたけど、
楽しかったな!
また遊ぼうぜ!!

今度はキノコ狩り行こ
待ってるよ~






それでは



***************

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Posted by 風来望あるじ at 09:11│Comments(1)ヒラスズキ熊本天草
この記事へのコメント
はぁ~~ 読み応えありましたよ(^-^)
Posted by あひるちゃんあひるちゃん at 2020年02月17日 16:43
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